fc2ブログ
第2期障がい福祉計画意見交換会に思うこと
 21日(土)旭川で道の障がい福祉計画についての意見交換会に出席してきた。
色々感想を持った。計画が積極的に実行されればいいと思う。
 ただ、注文をつけるとすれば最も不思議に思うのは、当事者の意見を聞くということであるにもかかわらず、計画に当事者支援のプログラムがほとんどないことだ。知的障がい者の領域で言えば知的障がい者が様々な人権侵害にあい、当事者自ら積極的に発言し、エンパワメントを自ら高めるためのセミナーなども毎年着実に進めてきているが、これらの活動に対する支援がほとんどない。当事者は育成会の本人部会でも「私達自身の組織と活動を支援してほしい」と言い続けているが、行政としての計画的な支援策が示されない。彼等は色々な計画と権利獲得のための活動を支援者と共に続けているが、一部の現場の支援者との協働活動によってかろうじて、セミナー等を主催している。
彼等自身の活動をもっと積極的に行政が支援するプログラムを策定することが相変わらず進まない。
 二つ目は就労についてこの自立支援法以来極めて力を入れているのは重要なことだが、浅草の短大生殺人事件以来、養護学校卒業後のケアのシステムと権利保障のシステムをもっと地域レベルで構築することが言われ続けているにもかかわらず、人権侵害や権利を保障する仕組みはほとんど進んでいない。養護学校の就職後は私達の関知するところではないというような就職のさせ方では職場と地域での人権侵害事件は増大するだろう。この見解は現場で彼等を支えている関係者の思いでもある。
 最後に、施設からの地域移行ということが今後の施策の大きな柱で、このところ地域移行に取り組んでいる施設が評価されているようだが、地域移行が施策にない時代から、行政に「措置の根本に反する」とおしかりを受けながら実践してきた施設や、入所施設によらない福祉を地道に追求してきた
施設や事業所の実践に耳を傾けると言うことに乏しいという印象をうける。それらの通所施設や地域のいわゆる「共同作業所」が理念として取り組んできたことで、どれだけ障がい者が地域で生活し暮らすことが広がったか、現場の実践にもっと想いを寄せても良いのではないか。彼等の実践は昨日今日の話しではない。
 
 
スポンサーサイト



卒業生に感謝
 春一番の荒れた14日に卒業生が退職を祝う会を開いてくれた。横井ゼミの1期生は遠く、長野や埼玉から子ども達をつれて駆けつけてくれた。そんな会になるとは思ってもみないことであった。元来涙もろい私はそれだけで泣けるほどで必死にこらえていた。横井ゼミ生と私と何らかの関わり合った大勢の学生たちが来てくれただけでそれは感激であった。
 次の日から2日ほど予定があって、当別を留守にした。14日に頂いた「Change」という冊子を読んだ。卒業生が退職にあたって書いてくれた寄せ書きである。私は最初の1ページから泣けて仕方なかった。胸が震えて仕方なかった。卒業生たちの一人一人の学生時代の思い出と彼らが歩んできた今との姿と、そして、教師とは言えない自分がかれらの人生の一時期に関わる事ができたことを、それは言葉にできないほどの感動であり、身体が震えて止まらない喜びであった。A4版1枚の文章が私にこれほどの感動を与えるとは思っても見ないことであった。私の人生で教師としての1時期が良かったのかどうか、学生にとって良かったのかどうか、教師を辞めると決心してからずっと自問自答していた。しかし、A4版に綴られた卒業生の寄せ書きに、身体が震える感動を感じた。この10年は私にとって最も愛おしい歳月であったのだと、今そんな想いの自分がいる。
3丁目食堂を告発する
 16年に渡り知的障がい者を酷使し、虐待してきた札幌の3丁目食堂事件が起きてから1年がたった。この事件は札幌の弁護士が民事で告発してから1年が経つ。しかし、その後、この裁判は一向に進展しない。民事は賠償する能力がないと判断されたら、それ以上の罪を問うことにならない。この民事での告発に私たちは疑問を持っていた。私たちは当初からこの事件は刑事事件だと思っていた。なぜ刑事事件として罪を問えないのか。この1年間、何度かどうすれば刑事告発できるかを協議してきた。既に民事で告発されている事件を刑事で告発できるかどうか。難しい問題がいくつも立ちはだかったが、ここまでにいたる、共生舎の当事者と元氏氏とスタッフの粘り強い取組み、八木弁護士をはじめとする支持者のバックアップの結果である。彼等に敬意を表したい。今後の進展には厳しい状況が予想されるが、この告発は障がい者の人権侵害事件に画期的な意味を持つものとなると私は思っている。知的障がい者の事件はその事件の当事者が告発するということでなくても、今回のように障がい者が自分たちのこととして告発ができれば、多くの障がい者の人権侵害事件を見逃すことなく、人として普通の権利を保障することができる。
 なによりも障がい者を虐待し、公金を横領するという知的障がい者に対して行われた「犯罪が問われないという理不尽を許すな」ということだ。「どうして悪を告発できないのか」私たちには理解ができない。今回の告発は正義を貫く戦いなのだ。「見逃すな人権侵害、許すな虐待」というあたりまえのことを言っているだけなのだ。
共生舎がかたるべの森に参加
 昨日のかたるべの森の理事会で札幌の共生舎がかたるべの森の法人の事業所として参画することが承認された。共生舎がどうなるのかは、岩淵氏の急逝のあと、多分多くの関係者の関心であったと思う。しかし、それはあくまでも当事者と彼らを支えるスタッフの自己決定の問題であった。スタッフは当事者と話し合いを重ねてきた。それは行政に対しても、なぜ作業所のままでいけないのかを投げかけてきた過程でもある。障がい者自立支援法で決まったからそれに従うという単純なことではなく、なぜ、現状のままでだめなのかを当事者はしつこく行政に問い続けた。
 そして、当事者とスタッフの話し合いの結論はかたるべの森の法人に参加すること、そしてほくとは「共同作業所」として残すことであった。私はかたるべの森としてこの当事者の意向を尊重して、法人の定款を変更して「公益事業」を追加し、共同作業所の事業を受託することで理事会の了承をえた。私は当麻の法人理事に深く感謝したい。また、共生舎は引き続き障がい者の人権を守る活動を充実、発展させてほしいと思う。
Copyright © K@t@ruBelog. all rights reserved.
Design by Pixel映画山脈