O君は3年の現場実習で知的障がい者の通所施設で実習した。寝起きするところは知的障がい者のグループホームの一部屋で過ごした。彼は朝はなかなか起きられず、知的の障害者から「もうご飯だよ、そろそろ起きたら」と声をかけられ、そのまま食卓に座わるので、知的の人から「O君、顔ぐらい洗ってきたら」とあきれられる。
実習訪問で彼の実習日誌を読んでも文章のひどさは短期の事前指導ではそう改善されるわけでもなく、書いていることを理解するのに随分骨が折れたものである。また、障がい者福祉の基礎的な知識の学習はほとんどできていなかったので、私は2週間過ぎたところで一端大学に戻し、1週間ほど障害者福祉の基礎的な学習をし直してまたその施設で残りの実習を継続した。彼の実習はその施設では今でも語りぐさになっている。福祉学科の勉強の成績は決して良いものではなく、社会福祉士の国家試験も絶対受からないと思っていたが、受験勉強は好きだというだけあって見事に合格した。今でも不思議に思う。そして、予想外なことであるが彼は「知的障がい児施設」に就職したのである。そこの施設長はよく知っている方だっだったので、心配していることを伝えると施設長は「3年くらいで仕事ができればいいとお思います。」と温かく言ってくれた。
4年ほどして、札幌の知的障がい児の通園施設に勤めていた横井ゼミの卒業生が、郷里の岩手に帰って特別養護老人ホームに勤めるというので、送別会をすることになった。その席に横井ゼミ学生では無かったがO君も出席した。宴会の調子もあがり、話しも盛り上がった頃、O君は「そういえば、2.3年前に実習に来た医療大の学生はひどかったなー」という。多分その頃の担当は私だったような気がするので、「えー、君の施設に実習に行った3年生はそんなひどいということはないと思うけど、なんていう名前の学生」と訪ねると、名前は覚えていないがとにかくひどっかたと言う。現場実習で行った3年生で私が担当していた時の学生は、O君にひどいと言われるような学生ではないと思い、2年生の基礎実習かもしくは心理の学生ではと聞いても良く覚えていないという。どんなふうにひどかったかと聞くと挨拶や態度が悪かったという。あまりひどいひどいというので、私も少し冷やかしてやりたくなり「えー、O君の3年の現場実習もひどかったと思うけどなー」というと一同爆笑であった。今年に入り、O君の施設にちょっと心配な学生の実習をお願いすることになり、学生と共に訪問し、施設長といろいろ話しをした。O君のことに話しが及ぶと施設長は「彼は今やうちの施設の中堅ですよ」という。利用者との関わりがとても良いというのである。彼の3年の時の実習でも利用者との関わりは穏やかでとても良いということであった。ただ、私は、彼の実習をやさしく受けとめてくれた施設のおかげだと思っている。他の施設であれば彼の実習状況を許容してくれたかどうか分からないと思う。
いずれにしても彼はおお化けした一人だと思う。彼のようにおお化けする学生は実は福祉の世界では多い。福祉の現場で人は成長することができるし、変わることができる。
福祉の仕事をしたいという学生を長い目でみることが必要ではないのか。
実習訪問で彼の実習日誌を読んでも文章のひどさは短期の事前指導ではそう改善されるわけでもなく、書いていることを理解するのに随分骨が折れたものである。また、障がい者福祉の基礎的な知識の学習はほとんどできていなかったので、私は2週間過ぎたところで一端大学に戻し、1週間ほど障害者福祉の基礎的な学習をし直してまたその施設で残りの実習を継続した。彼の実習はその施設では今でも語りぐさになっている。福祉学科の勉強の成績は決して良いものではなく、社会福祉士の国家試験も絶対受からないと思っていたが、受験勉強は好きだというだけあって見事に合格した。今でも不思議に思う。そして、予想外なことであるが彼は「知的障がい児施設」に就職したのである。そこの施設長はよく知っている方だっだったので、心配していることを伝えると施設長は「3年くらいで仕事ができればいいとお思います。」と温かく言ってくれた。
4年ほどして、札幌の知的障がい児の通園施設に勤めていた横井ゼミの卒業生が、郷里の岩手に帰って特別養護老人ホームに勤めるというので、送別会をすることになった。その席に横井ゼミ学生では無かったがO君も出席した。宴会の調子もあがり、話しも盛り上がった頃、O君は「そういえば、2.3年前に実習に来た医療大の学生はひどかったなー」という。多分その頃の担当は私だったような気がするので、「えー、君の施設に実習に行った3年生はそんなひどいということはないと思うけど、なんていう名前の学生」と訪ねると、名前は覚えていないがとにかくひどっかたと言う。現場実習で行った3年生で私が担当していた時の学生は、O君にひどいと言われるような学生ではないと思い、2年生の基礎実習かもしくは心理の学生ではと聞いても良く覚えていないという。どんなふうにひどかったかと聞くと挨拶や態度が悪かったという。あまりひどいひどいというので、私も少し冷やかしてやりたくなり「えー、O君の3年の現場実習もひどかったと思うけどなー」というと一同爆笑であった。今年に入り、O君の施設にちょっと心配な学生の実習をお願いすることになり、学生と共に訪問し、施設長といろいろ話しをした。O君のことに話しが及ぶと施設長は「彼は今やうちの施設の中堅ですよ」という。利用者との関わりがとても良いというのである。彼の3年の時の実習でも利用者との関わりは穏やかでとても良いということであった。ただ、私は、彼の実習をやさしく受けとめてくれた施設のおかげだと思っている。他の施設であれば彼の実習状況を許容してくれたかどうか分からないと思う。
いずれにしても彼はおお化けした一人だと思う。彼のようにおお化けする学生は実は福祉の世界では多い。福祉の現場で人は成長することができるし、変わることができる。
福祉の仕事をしたいという学生を長い目でみることが必要ではないのか。
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